卒業研究のご紹介
2021年版
情報系所属学生
画像認識を用いた「しりとりゲーム」の開発
川島 光樹神奈川県
情報学部情報工学科2021年3月卒業
神奈川県立保土ケ谷高等学校出身
研究の目的
スマートフォンの普及により、幼児がスマートフォンに触れる機会が増えました。それに伴い、知育ゲームもスマートフォンアプリとして開発されることが多くなっています。しりとりのゲームやアプリはこの世に多く存在しますが、画像を繋げてしりとりをするゲームが存在しませんでした。そこで、写真撮影をした画像に写っている物の名前をしりとりとして繋げることができる知育ゲームを、小学校に入学前の幼児が「言葉と物を結びつけて覚えることができるようにする」という目的で開発しました。画像を繋げてしりとりをすることができるゲームを開発すれば、斬新かつ面白いのではないかという新規性の点も開発した理由です。
研究内容や成果等
■ 提案する知育ゲーム
(1)画像認識・認識結果の言語処理
Imagga APIの画像認識技術を用いてプレイヤーが選択した画像内に写っている物を認識し、認識結果を取得する。幼児向けのアプリを想定しているため、ひらがな化APIの技術を用いて、取得した認識結果を全てひらがなに変換する。
(2)認識結果の文字列処理
プレイヤーがしりとりを繋げるために、認識結果の頭文字とお題の語を比較する処理が必要である。そこで、取得した認識結果から頭文字と語尾を取り出す。頭文字とお題の語との比較が一致した際に、お題の語を取り出した認識結果の語尾に変更することにより、しりとりが繋がる一連の流れとなる。
(3)ゲームの説明
ゲームが開始されるとお題の語が表示される。プレイヤーはお題の語に合った画像を選択して認識させる。画像認識後、取得した認識結果がボタンとして表示される。その中から、適切な認識結果を選択する。選択した後にお題の語と選択した認識結果の頭文字が比較される。正解であれば、選択した認識結果の語尾が次のお題になる。不正解であればお題が変わらず再度、画像を選択する。ゲームのイメージを図1に示す。
Imagga APIの画像認識技術を用いてプレイヤーが選択した画像内に写っている物を認識し、認識結果を取得する。幼児向けのアプリを想定しているため、ひらがな化APIの技術を用いて、取得した認識結果を全てひらがなに変換する。
(2)認識結果の文字列処理
プレイヤーがしりとりを繋げるために、認識結果の頭文字とお題の語を比較する処理が必要である。そこで、取得した認識結果から頭文字と語尾を取り出す。頭文字とお題の語との比較が一致した際に、お題の語を取り出した認識結果の語尾に変更することにより、しりとりが繋がる一連の流れとなる。
(3)ゲームの説明
ゲームが開始されるとお題の語が表示される。プレイヤーはお題の語に合った画像を選択して認識させる。画像認識後、取得した認識結果がボタンとして表示される。その中から、適切な認識結果を選択する。選択した後にお題の語と選択した認識結果の頭文字が比較される。正解であれば、選択した認識結果の語尾が次のお題になる。不正解であればお題が変わらず再度、画像を選択する。ゲームのイメージを図1に示す。
■ 評価
大人5人、子供5人を対象に大人用アンケートと子供用アンケートを用意し、実施した。質問項目に対して、5段階評価をつける形式とした。
(1)大人用アンケートの結果
質問項目の内容は「安全性」、「このアプリが知育の役に立つと思いましたか?」、「操作性」、「今後、幼児に使わせたいと思いましたか?」の4つである。3つの項目に関しては高評価を得た。「操作性」は画像を選ぶまでの手順の多さが理由で、「2」の評価が多かった。
(2)子供用アンケートの結果
質問項目の内容は「楽しいと思いましたか?」、「またこのゲームをやりたいと思いましたか?」、「勉強になりましたか?」である。それぞれ、「5」の評価が多く、高評価を得た。
(1)大人用アンケートの結果
質問項目の内容は「安全性」、「このアプリが知育の役に立つと思いましたか?」、「操作性」、「今後、幼児に使わせたいと思いましたか?」の4つである。3つの項目に関しては高評価を得た。「操作性」は画像を選ぶまでの手順の多さが理由で、「2」の評価が多かった。
(2)子供用アンケートの結果
質問項目の内容は「楽しいと思いましたか?」、「またこのゲームをやりたいと思いましたか?」、「勉強になりましたか?」である。それぞれ、「5」の評価が多く、高評価を得た。
■ まとめ
本研究では、画像に写っている物をしりとりとして繋げる知育ゲームを提案した。評価の結果から目的である「楽しみながら、言葉と物を覚えることができる」は概ね達成できたと言える。しかし、操作性に関しては高評価を得ることができなかった。原因は画像を選ぶまでの手順が多いことである。画像選択までの手順を短くすることが今後の課題である。
- 指導教員からのコメント メディア認識理解研究室教授 森 稔
- 今回の研究テーマは、研究室の「画像認識・理解」という大枠の中で、川島君が自ら検討・提案したものです。当初は何をするべきか定まらず苦労しましたが、最終的には、目的・対象から実装・評価に至るまで、一通り完成するところまで辿り着きました。もちろん指導を通した補足・修正はありましたが、都度一人称で対応し、その過程で非常に成長したと思います。単に子ども向けに有効なサービス・プログラムを実現したということだけでなく、今後の社会人生活に向けて、独り立ちできるようになったことを、非常に嬉しく思います。今回の経験を活かし、さらなる活躍を期待しています。
- 卒業研究学生からの一言 川島 光樹
- 神奈川工科大学に入るまでは一切プログラムをやったことがなかったので、授業についていけるか不安でしたが、本学では基礎からプログラムを学べるので、しっかりと身につけられたと思います。実際に身についたプログラムの知識が今回の研究にも活かされました。また、講義で出される課題は難しいと感じるものが多かったです。特にプログラムの課題は難しかった印象があります。しかし、本学では講義で分からない部分や難しい課題などを親身になって教えてくれるサポート制度があるので、とても助かりました。
- 情報学部情報工学科(大学サイト )
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