卒業研究のご紹介
2019年版
情報系所属学生
機械学習技術を用いた各種室内アラーム音の識別に関する研究
渡辺 滉平新潟県
情報学部情報工学科 2019年3月卒業
十日町高等学校出身
研究の目的
私たちの身の回りには火災報知器やガス漏れ報知器など、様々なアラーム音が存在し、私たちは耳でそれらの音を聞き、危険を察知して素早く身の安全の確保ができます。しかし、先天的に聴覚に障がいを持っていたり、事故や加齢などにより聴力が低下してしまった方は、それは困難であり危険への対処が遅れてしまう恐れがあります。人工知能の一つである機械学習という技術を用いることで、何のアラーム音が鳴っているのかを人の代わりにコンピュータに識別してもらおうと考え、研究を行いました。コンピュータで識別した結果をスマートフォンや腕時計などに無線で送信し、視覚的な変化やバイブレーションなどの、音以外の方法でユーザに危険を通知するシステムなどへの応用を進めています。
研究内容や成果等
■ 研究要旨
ガス漏れ、来客ベルなど音によって人に通知する装置は多々ある。聴覚に障がいのある人や耳が遠くなった人に向けて、音ではなく光などで通知する装置があるが、個別の装置であるとともに特殊な機器として高価である。本研究では、機械学習の技術をベースに室内の各種アラーム音を一元的に識別し、ユーザの端末にその発生を報知するシステムについて検討している。
■ 概要(現状、下記を構築済、評価が今後の課題)
1. 事前に各種アラーム音を学習する(学習済モデルを作成する)。
2. それをマイコンに格納し、実際の各種アラーム音が発生したとき、それを識別する。
3. 識別結果をユーザのスマホに送信する(Bluetoothと呼ばれる室内の距離でつながる通信)。
4. スマホは、受信すると振動でユーザに伝えるとともに、アラームの音源を画面に表示。
2. それをマイコンに格納し、実際の各種アラーム音が発生したとき、それを識別する。
3. 識別結果をユーザのスマホに送信する(Bluetoothと呼ばれる室内の距離でつながる通信)。
4. スマホは、受信すると振動でユーザに伝えるとともに、アラームの音源を画面に表示。
アプリケーションとして、アラーム音を聴覚に障がいを持つ人に別の方法で知らせるという応用も可能ですが、各種家電の動作音から一人暮らしの高齢者の見守りにも適用できます。また、話者の識別に利用して音声認識技術と組み合わせて、誰が何を話したということを自動的に記録するようなシステムへの展開も可能であり、多様な応用が期待できるテーマです。