プラセオジムをドープしたアルミン酸カルシウムスズ蛍光体

蛍光材料の多くはホスト物質に発光元素を導入して作られ、現在実用化されている蛍光材料の多くは発光元素として希土類元素を含んでいる。当研究室において過去、Ca²⁺ の位置にMn²⁺ を導入することを意図した調合組成 (Ca_2-xMn_x)Sn₂Al₂O₉ の試料が合成され、得られた試料が黄色の蛍光、残光を示すことが見出された。また Sn⁴⁺ の位置に Ti⁴⁺ を導入したCa₂(Sn_1-xTi_x)₂Al₂O₉の合成も行われ、得られた試料は青色の蛍光を示した。本研究では、ホスト物質として同様の Ca₂Sn₂Al₂O₉ を選び、発光元素として Pr を導入した試料を研究対象とした。そして、Ca²⁺の一部をPr³⁺で置換する(Ca_1-xPr_x)₂Sn₂Al₂O₉ を調合組成に設定。Prの置換量を変え、蛍光特性について調べることを目的とした。

私たちの身の回りにはLED、蓄光標識などで多くの蛍光体が使用されており、それらの蛍光体では希土類元素を使用されているものが多い。本研究により希土類元素を含まない蛍光体の開発が実現すれば、今までより安価に蛍光体を作製することができる。