卒業研究のご紹介
2019年版
化学・バイオ・栄養系所属学生
健康腕時計の年代および体格別の消費エネルギーの換算係数の検討
渡邉 海斗東京都
応用バイオ科学部栄養生命科学科 2019年3月卒業
東京都立東大和高等学校出身
研究の目的
生活習慣病や介護予防のためには、生活の問題点を自らが気づいて健康管理をする必要があると考えます。本研究では、身につけるだけで消費エネルギーを測定できる「健康腕時計(PALSENSE)」の精度を上げる実験を行いました。2014年に販売されたこの健康腕時計は、年齢や体格別の情報を追加することでこれまで以上に個人に適した測定が可能になると考えました。そのため、健康腕時計から求められる消費エネルギーを、呼吸ガスから求められる消費エネルギーになるべく近づけるよう様々な年齢や体格の方対象に実験を行い、個人に合わせた消費エネルギーの測定を目的としました。
研究内容や成果等
■ 方法
対象者:男性 67名(若年層 20名、中高年 26名、高齢層 21名)
●被験者の特徴
●被験者の特徴
■ 使用機器について
■ 結果
●健康腕時計の代謝値と精密代謝器から得た代謝値との相関
■ 結論
・本実験で若年層や中高年層(〜55歳)の標準体格者、高齢層では既存の係数で測定が可能であることがわかった
・肥満者の換算係数は、体動係数1.6、非体動係数0.4になると推定できた
●今後の課題
① 年齢層ごとに適応できるよう、区分の見直し
② 若年層のやせ・運動経験あり群の被験者を増やす必要がある
③若年層や運動経験者では軽い身体活動時の係数と換算式を再確認する
・肥満者の換算係数は、体動係数1.6、非体動係数0.4になると推定できた
●今後の課題
① 年齢層ごとに適応できるよう、区分の見直し
② 若年層のやせ・運動経験あり群の被験者を増やす必要がある
③若年層や運動経験者では軽い身体活動時の係数と換算式を再確認する
- 指導教員からのコメント 准教授 澤井 明香
- 健康寿命の延伸のためには、現在の高齢者人口の増加と働き手の減少の問題を背景に、今後は益々、医療や介護を人や制度に委ねるのではなく、自らの健康を自らで管理し、病気や介護を未然に防ぐことが重要になる。そのためには、自己の生活習慣を客観的に知り、是正することが必要だが、他方では生活が多様化し、正確な生活習慣の評価が難しいのも現状である。渡邉君は個人の日常活動やエネルギー消費量をより正確に捉えるために、既存の装置(PULSENSE)で脈拍と加速度から換算される消費エネルギーの式に、年齢の要素の追加を試みた。学内外で多くの高齢者の代謝量を測定し、本研究室に蓄積された中高年や若年者の過去のデータを合わせて、新たな年齢係数を導き出し、その成果を日本健康・栄養システム学会にて発表した。
- 卒業研究学生からの一言 渡邉 海斗
- 本研究は歩行や早歩きなどの身体活動と、暗算などの精神活動に分けて実験を行いました。普段、運動や勉強をする際、どの程度のエネルギーが消費されているのか自分ではわかりませんが、本実験では運動による負荷や暗算によるストレスを消費エネルギーとして数値化することができます。私も実際に健康腕時計を用いて実験を行って、生活を見直すきっかけになったり、食事によるエネルギー摂取の大切さを改めて感じることができました。
- 応用バイオ科学部栄養生命科学科(大学サイト )
- 教員紹介ページ(大学サイト )
- 研究室ナビ(大学サイト)