Side Stories
理工系の学生の中には、「英語が苦手」と考える人は少なくありません。 武藤嶺奈さん(機械工学科 航空宇宙学コース4年)もその一人でした。 武藤さんは本学の「海外留学プログラム」に参加し、苦手な英語を克服。帰国後は「イングリッシュ・ラウンジ」で継続的に英語に親しみ、上達させてきました。そんな武藤さんに「留学を決めた理由」から「将来の夢」までをお聞きしました。
苦手を克服!半年間のアメリカ留学
私は中学校でも高校でも英語が苦手科目でした。大学に入学したときに、条件をクリアしていれば休学せずに3年次に半年間の留学ができる、「海外留学プログラム」があると知りました。机に向かって勉強するだけではなく、友達やホストファミリーとの交流で楽しく英語を学べたら、苦手を克服できるかもしれないと思い、このプログラムを使って留学しようと考えるようになりました。航空宇宙学コースの1、2年次には「留学英語」という必修授業もあり、授業を受けるに従い留学への思いが高まっていきました。
「航空宇宙学コース 留学プログラム」への参加を決意
3年生になり、前期の半年間アメリカのシアトルにあるグリーンリバー・カレッジへ留学しました。TOEFLが500点以上であれば、同カレッジの航空系の授業も受講できるのですが、私は500点には足りず、まずはカレッジ内にある英語習得のためのコースを選択しました。専門分野を学ぶために必要な英語力を身につけるためのコースです。ここで、英語でのプレゼンテーションのやり方やエッセイの書き方など様々なことを学びました。
Profile
工学部 機械工学科 航空宇宙学コース 4年
神奈川県 橘学苑高等学校 出身
武藤嶺奈さん
空気力学研究室(木村茂雄研究室)に所属し、寒冷地の風力発電の妨げになる着氷について研究しています。2021年4月からは本学の大学院へ進学して研究を継続する予定です。
ある日「言えた!」 英語でのとっさの一言
留学して最初の1カ月は、相手の言っていることは分かるけれど、自分の考えをうまく伝えられず、毎晩ベッドの中で、「ああ言えば良かった」「こう言えば良かった」「次はこう言おう」と反省していました。その後、英語が流暢に話せる友達と仲良くなり一緒に行動する中で、「こういうときには、こんな風に言えばいいんだ!」と気づいたり、学んだりするようになり、少しずつ英語でコミュニケーションが取れるようになっていきました。現地に行ってから2、3カ月経ったある日、相槌を打つフレーズがとっさに出てくるようになって、「あっ!言えた!」という喜びがありました。それからは英語でのやり取りに自信がつき、どんどん楽しくなっていきました。
グリーンリバー・カレッジでの授業風景
楽しい思い出がいっぱい!留学中のエピソード
たくさんあるエピソードの中で、特に印象的なのは、ホストファミリーが誕生パーティーを開いてくれたことです。授業が始まったのが4月1日で、私の誕生日は4月8日。授業が始まったばかりで言い出しにくかったのですが、思い切って話したら、同じ留学生で日本人の女の子2人と韓国人の女の子1人が来てくれました。韓国人の女の子とは、授業でも一緒のクラスになり、仲良くなりました。留学中にできた友人たちとは、今でも連絡を取りあっています。
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誕生パーティーの時にホストファミリーが用意してくれたケーキ
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シアトルのダウンタウンを観光
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やっぱり本場のハンバーガーはおいしい!
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ホストファミリーとドイツ村へ
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友人とメリディアンパークへ独立記念日の花火を見に行きました
イングリッシュ・ラウンジで英語を継続して上達!
帰国後、英語を話せるようになって一番変わったのは「もっと英語で話したい!」と思ったことです。そこで、本学にある「イングリッシュ・ラウンジ」を利用してみることにしました。ネイティブの先生方は親切で雰囲気も良く、ラウンジを利用する留学生とゲームをしたり雑談をしたり、ハロウィンパーティーやクリスマスパーティーもあり楽しく英語に触れることができます。少しでも英語力を上達させたるため、思い切ってイングリッシュ・ラウンジのアルバイトにも応募しました。
イングリッシュ・ラウンジについて
イングリッシュ・ラウンジはキャンパス内で英語を学びたい学生のために開設されました。完全予約制の「マンツーマン」「TOEICマンツーマン」、予約不要の「TOEICグループレッスン」があります。
*2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、施設は閉室しています。外国人講師によるレッスンやフリートークをオンラインで実施しています。
アルバイトは週1回1時間30分ほどで、仕事の内容は、ラウンジに来た学生のサポートや、お菓子・飲み物のセッティング等です。先生がゆっくりと繰り返し話しても、利用する人は、何を話しているのか、どう答えればよいのか分からないこともあるので、私も同席して受け答えのサポートをします。利用者の緊張した表情が和やかになり、フリートークが終わって楽しそうに出て行く姿が印象的でした。
昨年度の幾徳祭(学園祭)では、イングリッシュ・ラウンジでも「スモア」というカナダでよく食べられるマシュマロのお菓子の屋台を出店しました。私たちアルバイトだけでなく、日々ラウンジを利用する学生や留学生も手伝ってくれ、普段の大学生活では経験できない“イングリッシ ュ・ラウンジならではの体験”ができました。
今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、イングリッシュ・ラウンジは閉室しています。レッスンはオンライン講座となり、アルバイトは無くなりましたが、利用者として引き続きオンライン講座を利用しています。対面と比べてコミュニケーションが難しいといった苦労は特になく、現在はTOEICの講座も利用しています。また、所属研究室の木村先生の発案で、研究室のためのオンライン講座の時間ができました。ラウンジの講師の先生と研究室のメンバーが参加するフリートークで、いつも参加しています。
大学院進学と叶えたい夢
卒業後は本学の大学院へ進学し、現在取り組んでいる研究を継続する予定です。寒い地域で風力発電を利用すると風車のブレードに着氷し、発電量が下がるという問題が発生します。この問題を解決し発電効率を向上させることが私の研究テーマで、着氷を検知する手法を提案したいと考えています。指導教授の先生から紹介された、寒冷地風車の研究が盛んなノルウェーへの短期留学にも参加したいと思っています。
夢は自分で車を運転してアメリカを横断することです。シアトルに留学していた時に、何度も行ったマウントレーニア国立公園で、広大な自然の美しい風景に圧倒され魅了されました。アメリカには、たくさんの国立公園があるので周り尽くしたいです。まだ日本の自動車の運転免許も持っていないので、まずは運転免許を取れるようにがんばります。
マウントレーニア国立公園にて
かわいいウォンバットに出会いました
神奈川工科大学の海外留学プログラム
アメリカの大学で語学とアカデミックコース(自分が専攻する科目 / 機械工学、バイオもしくは化学関連科目)を受講する、半年間の留学プログラムです。航空宇宙学コースを対象にした航空機操縦実習を学ぶプログラムや応用バイオ科学科を対象にした台湾交換留学(授業料免除)も実施しています。参加者は、在学中に留年することなく6ヵ月間留学でき、また旅費や滞在費の一部が補助される支援制度を設けています。
*2020年度の海外留学プログラムは、新型コロナウイルス感染症の影響で中止になりました。