Side Stories

サイドストーリーズ
Vol.2

選手たちと共に4年間!
野球部マネージャーの奮闘

神奈川大学野球連盟1部で戦う本学野球部。160名を超えるチームの運営になくてはならないのがマネージャーです。日頃の事務作業から大会運営まで、多岐に渡る活動で本学野球部を支えるマネージャーの一人、武藤久実さん(応用バイオ科学部 応用バイオ科学科4年)に、マネージャー業やコロナ禍での変化とチャレンジ、学業との両立などについてお聞きしました。

マネージャーの仕事

マネージャーは、男女2名ずつ4名です。練習時は主に掲示板の貼替えや事務作業、また、ホームページの更新やTwitterでの発信も担当しています。多くの人に神奈川工科大学硬式野球部を知って欲しいので頻繁に更新しています。大会が近くなると対戦校のデータ収集や本学チームのデータ整理を、大会が始まると運営に携わり、試合を見に来てくださる方たちの接待やゲームのアナウンスを担当します。


コロナ禍での変化とチャレンジ

コロナウイルスの影響で、5カ月以上も部活動ができない状況が続きました。マネージャーを含めて、野球部全体の活動が再開したのは8月24日(*注1)です。練習や試合時の消毒、検温などもマネージャーの仕事になり、毎日、160名を超える部員の検温をして記録しています。

*注1:大学は所属連盟の大会を目前に控える一部部活動に対して、徹底した感染予防対策を講じることで活動再開を許可しています。

また、新たな取組みとして、YouTubeを使って動画を部内共有して対戦相手の研究をしたり、保護者向けに練習や試合のライブ配信を始めました。コロナウイルス対策によって、リーグ戦は無観客試合になったのですが、保護者の方、特に4年生の保護者の方のために、監督やコーチと話し合ってYouTubeでの配信を取り入れることになりました。私は機械に強い方ではないので、必要な機材を揃えるのに苦労したり、ライブ配信の設定に手こずり、当日の朝までかかったりと大変でしたが、やって良かったと思っています。

Profile

応用バイオ科学部応用バイオ科学科4年

神奈川県向上高校出身

武藤久実さん

小さい頃から野球が好きで、小学6年生まで地元の野球チームに所属していました。その後、野球からは離れていたのですが、高校時代に野球部の試合を見にいくようになり、「大学生になったら、がむしゃらに野球をしている選手をそばで支えていきたい!」と思うようになりました。理数系が得意だったこともあり、理工系の大学で野球部が強く、しっかりと活動していて、マネージャーができる神奈川工科大学に進学。4年間、野球部マネージャーとして活動してきました。

Message

野球部
坂田航さん(創造工学部ホームエレクトロニクス開発学科4年)

武藤には、4年間裏方の大変な仕事を何も言わずやってもらって心の底から感謝しています。僕の高校(長崎県 海星高校)には女子マネージャーはいませんでした。なので、男子でも根を上げそうな仕事でも淡々とこなす武藤を見てすごくカッコいいと思っていました。
僕自身、武藤が弱音を吐いているのを見たことがありません。特に今年はコロナウイルスの影響で春のリーグ戦も中止、練習も制限された非日常的な状況の中で、秋のリーグ戦までしっかり戦えたことは武藤の活躍なしではあり得なかったことだと思っています。ずっと裏方で頑張ってくれていた武藤が4年間で1番カッコ良かったです!ありがとう!

就職活動

就職先は食品会社です。内定を得たのは周囲より遅い7月頃でした。就職活動中は「決まらなかったらどうしよう」など不安やプレッシャーがありましたが、野球部の監督から食品会社を紹介していただき、就職先が決まりました。以前、私が品質管理や商品開発に興味があると話していたことを監督が覚えていてくださり、紹介につながりました。ここまで気にかけてくださったことをとてもうれしく思いました。

卒業研究

栗原誠先生の下で免疫化学に関する研究について取り組んでいます。応用バイオ科学科では、本格的に研究室に所属するのは4年次からですが、コロナウイルスの影響で4月は学内に入れず、その後も入構が制限される中、部活動との兼ね合いが難しかったです。みんなの研究が進んでいる中、「自分だけが追いついていけない」という思いがありました。今は検温などのチェックを受ければ研究活動に支障がないので、毎日がんばって研究を進めています。

Message

応用バイオ科学部応用バイオ科学科
教授 栗原誠先生
(指導教授)

2年生の頃、武藤さんから「野球部の活動で授業を欠席したい」と申し出がありました。この時初めて、応用バイオ科学科に野球部マネージャーの女子学生がいることを知り、少し驚いた記憶があります。3年後期に研究室配属になり、性格が底抜けに明るいことを知りました。就職活動では弱音を吐いた時もありましたが、本番に強く、無事に志望企業から内定もらいました。卒業研究ではモノクローナル抗体を用いて消化管粘膜の防御物資の探索を行っています。コロナ禍で不自由な学生生活ですが、これに怯むことなく、持ち前の明るさと行動力で頑張っています。

部活動と学業の両立

部活動自体は、あまり大変だと思ったことはなかったです。自分よりもがんばっている選手を見たら自分もがんばらなければ!という思いが強かったので。勉強面では、学年で20番以内に入るという目標を立てたところ、3年次終了の時点で16番になり、目標を達成することができました。高校時代から生物や数学が得意で、大学でも生物系の授業が好きだったので、講義を聞いて理解できることは多かったです。また、自宅通学で家から大学が近いこともあり、通学時間が長い人に比べて勉強時間は取れていたと思います。

コロナ禍での思い

私は、家族よりも球場で部活のメンバーといる時間の方が圧倒的に長かったので、部活動ができない間は寂しかったです。早くマネージャーの仕事をしたいと思って、リーグ戦に向けて選手に渡すお守りを作っていました。練習は早く再開して欲しいけれど「選手がコロナウイルスに感染したら嫌だなぁ」という思いもありました。活動が再開したときは単純にうれしかったです。やっとできるようになったという思いと、今までできていたことは当たり前ではないのだと感じました。

4年生で最後の年なので、お守りを1年生から4年生まで164名全員分を作りました。毎年渡しているので「ありがとう」とは言ってくれましたが、ワーイ!と言う感じではなかったですね(笑)

野球部マネージャーの魅力と4年間で得たもの

野球部マネージャーの魅力は、野球が大好きで、ただひたすらに勝ちたいという思いで練習している選手を、誰よりも近くから応援し支えられることです。また、最後の秋季リーグで、本学チームのアナウンス(*注2)をたくさんさせてもらったことが、私にとって一番の思い出になっています。また、野球部に入ったことで、コミュニケーション能力がアップするなどたくさん良い経験ができました。以前は初対面の方と話すことが苦手でしたが、マネージャーである以上、みんなに声をかけなくてはいけない場面も多いので、自然と自分が思っていることを発言できるようになりました。
家族には、夜遅かったり朝早かったりという生活を4年間サポートしてもらいました。
何より私が野球が好きなこと、「野球部が一番!」ということを理解してくれて、とても感謝しています。

*注2:アナウンスは1試合1人が担当。2年生から担当するようになり、1試合、2試合と増えていき、4年生は4試合〜5試合分を担当します。

11月に行われた「第16回関東地区大学野球選手権大会」(於:横浜スタジアム)で、担当校として受付やアナウンスを行ったこともよい思い出になりました。

受付の様子

他大学のマネージャーと