Side Stories

サイドストーリーズ
Vol.1

コロナ禍でのチャレンジ!
学びを活かした大学PR動画の制作

左から
末次さん、吉田さん、齊藤さん

神奈川工科大学では今年6月、新型コロナウイルス感染拡大の影響でアルバイト収入が減少した学生などを対象に、学内アルバイトという形で学生支援を行いました。

その中の一つ「大学のPR動画制作」に手をあげたのが、情報学部 情報メディア学科で映像制作を学ぶ3年生の末次花佳さん、吉田明美花さん、齋藤綾香さん。放送研究部に所属し、“一人暮らし”という共通点もあります。彼女たちがコロナ禍での想いや、動画制作を通して感じたことなどを紹介します。

コロナ禍で感じたこと、考えたこと

新型コロナウイルスの感染が広がり始めた2月~3月。4月7日には東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が出されました。本学でもキャンパスへの立ち入りが制限され、前期の授業開始は延期に……。自粛を余儀なくされた日々の中で、生活はどのように変化していったのでしょうか?

末次 さん
5月からスタートしたオンライン授業では、気軽に先生や友達とコミュニケーションがとれず、課題を十分に理解できないなど苦労しました。部屋で一人でいるのは寂しく、孤独を感じることが多かったです。その後、動画制作に参加することになり、気持ちが前向きになりました。生活面では、アルバイトのシフトが大幅に削られて金銭面では苦労していたので、大学の動画制作のアルバイトはとてもありがたかったです。
吉田 さん
前期は担当される先生の顔を見ることなく終わってしまった講義も多く、不安を感じることが多かったです。なにより研究室に行って先生や先輩と話す機会が失われてしまったのは残念でした。2年次の終わりに一人暮らしを始めたこともあり、アルバイトを安定した収入が得られる別の仕事に変えて、今も頑張っています。家族との関係はコロナ禍でも特に変化はなかったように思います。
齊藤 さん
コロナ禍以前は、勉強や提出物を学校の図書室やオープンスペースでやっていたので、自粛になり家で課題をすることが、私にはとても大変なことでした。生活面では、日光を浴びなくなり運動量も減少。パソコンに向かう時間が長くなり肩こりや腰痛に悩まされています。今は日中に買い物に行ったり、散歩に行ったりと工夫をしています。実家は愛知県のため、まだ帰省はできずにいます(取材時)。

大学PR動画の制作を通して得たもの

本学の動画制作のアルバイトが決まった彼女たち。最初は「3人で1本を作ろう」と思っていたそうですが、3人のアイデアが異なったため、それぞれが1本ずつ担当することに。動画制作でのこだわりや苦労したこと、達成感や2本目の制作への想いなどをお聞きしました。

末次 さん

最初に制作した「What' s your name?」では、私自身が広告動画に求めるシンプルさや伝わりやすさを意識しました。電車の車内広告のような「30秒でわかりやすい文字だけで作れる広告」を作ろうと思い、授業で学んでいたモーショングラフィックス*の知識を使って文字を動かすアニメーションに仕上げました。映像の編集はやったことがあっても、文字だけを動かす動画は初めてだったので、本やYouTubeなどで編集アプリの使い方を学びながらの制作でした。

完成した動画を見て感じたのは、本学らしさが足りなかったことです。モノクロで制作したのですが、「神奈川工科大学の色って何色だろう」など、もっと考えて制作できたら良かったと感じています。反省点はありますが、作りたい映像を完成させることができて達成感が得られました。3年生になり就職に向けて動き出したいと思っていた時期にコロナ禍になり不安に思っていたので、ポートフォリオとなる動画が作れたことはとても良かったです。

2本目の動画は、企画入学課から依頼された「神奈川工科大学のコロナ対策を見てみよう!」で、漫画の世界観に映像を取り入れた作品を制作しています。最近は、許可をいただいて学内での撮影ができるので、自分で撮った動画も取り入れられるようになりました。前期に大学に来られなかった1年生や保護者の方に向けて「安心安全な大学」ということを紹介したいと思っています。

*モーショングラフィックス
ロゴやイラスト、文字、図形、写真などに動きや音を加えて動画にしたもの。

取材後、完成し公開された動画はコチラ!

Profile

情報学部情報メディア学科3年

神奈川県立新羽高等学校出身

末次花佳さん

映像制作などの基礎的知識を学びながら、2年次には手書きアニメーションでMV作品を作ったり、3年前期には脚本を書いて声劇を制作しました。コロナ禍で友人たちにも会えなくなり、今は「大学に行きたい!」という気持ちでいっぱいです。

吉田 さん

動画制作では、視聴者が「最後まで見ていられる作品」を作りたいと思っています。また、どこか一点でも私自身が「ここが好き!」といえるポイントを作ることが、こだわりでありモチベーションに繋がっています。

最初に制作した動画「四年制大学ならどこでもいい」は、「大学なんてどこも同じ」と思っていた女子高生が、オープンキャンパスのチラシをきっかけに本学を訪れるという作品です。最初のドラマ的な部分は齊藤さんに協力してもらい、先生方などのコメント動画は、職員の方に撮影してもらいました。大変だったのは、後半の写真を降らせるように紹介する部分です。新たに撮れればいいのですが、前期は大学に入れなかったので、私生活で撮っていた写真を人が写らないように切り抜くなどの工夫をしました。ただ、誰が見ても良いと感じられる写真は限られてしまうので、とても苦労しました。

完成後にミスが見つかるなど反省点はありますが、ひとつの作品に仕上げられたことがとてもうれしいです。将来、映像業界に入るなら誰かの指示や依頼で作品を作る場面が出てくるので、良い経験になりました。

2本目の「神奈川工科大学感染症対策!の旅」は、再生時間がやや長めのIGVT動画に仕上げています。最後まで見てもらえる仕上がりにしたくて、齊藤さんと末次さんにアドバイスをもらいながら編集に取り組みました。相談しやすい2人なので助かっています。

取材後、完成し公開された動画はコチラ!

Profile

情報学部情報メディア学科3年

静岡県立浜松湖南高等学校出身

吉田明美花さん

3年次前期の授業では、映像作品の魅せ方やキャラクターの設定の根本を学びました。今まで知らなかった見方を知り、楽しみながら知識を蓄えることができています。コロナ禍以前の部活動では30分位のドラマを作っていました。

齊藤 さん

私が動画制作で気をつけているのは、企画の趣旨から外れないこと、また、他の人が見た時の感想・意見を聞くことを心がけています。構成・編集を一人でしていると、独りよがりな作品になったり、編集の加減がわからなくなってしまうからです。

最初に制作した動画「カツサンドチャレンジ」は、“食べているところを撮ってきてもらう”ことから始まりました。出演者の職員の方を、ご家族に撮影してもらい、その映像素材をもらっての編集です。BGMと効果音探しからスタートし、動画の流れを編集しながら考えたり、幾つものパターンを作ってみた上で、どれが良いかを比較してみたりと、思っていたよりも完成まで時間がかかりました。

この制作で一番感じたのは「自分で撮れない大変さ」です。完成した動画を見て、自分の構成の詰めの甘さも実感しましたが、大変だった分、とても良い勉強になりました。また、今回の動画制作では、企業や企画入学課の方を交えての打ち合わせなども経験できました。仲間内とは異なる「仕事」的な雰囲気が新鮮でした。動画制作を通して社会経験ができたと感じています。

最近、新しい動画編集アプリを購入しました。今まで使用していたアプリに比べ機能が格段と上がるので、様々なチャレンジができます。2本目以降の作品用に何点か素材をいただいていて、編集の方向性で悩んでいたのですが、新しいアプリで新しいチャレンジをしてみようと思います。

取材後、完成し公開された動画はコチラ!

Profile

情報学部情報メディア学科3年

愛知県立豊橋南高等学校

齊藤綾香さん

構成、撮影、編集などの基礎やキャラクター作りなど、映像制作に関する授業を多めに選んで履修しています。最近、新しい動画編集アプリを購入し、制作面でのチャレンジが可能になりました。コロナ禍以前の日常生活に少しだけでも戻れたらと思っています。