系統別KAIT理系女子カタログ

情報系

2024

溝渕 彩久良

大学院 工学研究科
情報工学専攻 博士前期課程 1年
香川県立高松高等学校出身

認知症予防を意識したゲーム「サンコロビンゴ」の
研究開発に取り組んでいます

高校生のワタシ

小学生の頃から数学的な考え方やパズルが好きだったので、プログラミングを学びたいと思っていました。また、音楽にも興味があって、ネットで大学を探す中で、プログラミングとデジタル音楽が学べる神奈川工科大学を見つけました。他にも「特別専攻」*に入学することで学費に見合う経験が得られることや、大学の敷地内に女子寮(女子シェアハウス 「KAIT ERIM」(カイトエリム))があることも進学の際に重視したことです。親元を離れて進学するならば、修行ではないけど「なかなか帰れないように実家から遠い方がいいかな」という思いもありました。
*現在は特別専攻の募集は行っていません。

大学生のワタシ

コロナ禍の影響で、大学生活はリモート授業でのスタートになりました。それでも、プログラミングの授業が楽しくて、先生から「毎日最低5分はプログラミングに触れなさい」と言われたことを、今もしっかりと守っています。

デジタル音楽も学ぶつもりで入学したのですが、3年生の前期に出会った「インタラクションデザイン」という「人に優しいシステムの研究」に惹かれて、後期からインタラクションデザイン研究室(鈴木研究室)に所属しました。そこで取り組みはじめたのが、認知症予防を意識したゲーム「サンコロビンゴ」の研究開発です。

「サンコロビンゴ」は2人で対戦するゲームで、サイコロ型のコントローラーで計算式を作り、その答えの数字で画面上のビンゴボードの数字を取っていき、先にビンゴが作れた人の勝ちとなります。サイコロ型のコントローラーは3つあり、数字が書かれた2つのサイコロの間に、「+、−、×、÷」が書かれたサイコロを置くことで、答えが自動的にビンゴボードに反映されます。認知症対策に良いとされている、計算をしたり戦略を考えたりする「脳トレ」、サイコロを動かす「指先の運動」、対戦者や周囲の人との「コミュニケーション」の3点を取り入れているのが大きな特徴です。高齢者施設で高齢者の方に体験してもらったところ、とても楽しんでもらえました。

「サンコロビンゴ」の研究では、3年生の3月に1回、4年生の7月に2回、学会で発表をしています。そのうちの1回はデンマークでのポスター発表で、とても貴重な経験になりました。また、どの発表も卒論を書く前で、論文の書き方もプレゼンの方法もわからなかったのですが、先生のサポートもあり、学生奨励賞など様々な賞をいただきました。学会の準備は大変ですが、参加することで自分の研究に対し様々な意見が聞けたり、同じ分野を研究している他大学の学生との交流を持てたりと、かなり刺激を受けることができます。

大学院のワタシ

入学した頃は、卒業後は就職するつもりでしたが、「サンコロビンゴ」の研究開発をする中で、もう少し取り組んでみたいと思い大学院への進学を決めました。奨学金を得ることができ、両親は「やるんだったらがんばりなさい」と応援してくれています。大学院では研究できる時間は多いのですが、向き合いすぎて行き詰まらないように気をつけています。思う様にプログラムが書けないときには、パソコンから離れて少し時間をおくとアイデアが浮かび、すんなり書けたりします。

ワタシのOFFタイム

研究で読んだ論文などには「認知症予防には運動が一番大事」と書かれているのに、自分はまったく運動していないことに気づいて、生活習慣を見直しました。今は、晴れた日には散歩や近くにある鳶尾山へのハイキングを楽しんでいます。自然の中でごはんを食べたり、読書をしたり、空を眺めたりなど、自然とともにゆったりとした時間を過ごすのが好きです。去年はゴールデンウィークと紅葉の時期に、大山(神奈川県伊勢原市)に登頂しました。特に最初に登った日は快晴で富士山も見ることができました。今年も丹沢の山に登りたいと思っています。

愛用している登山靴とリュックは大切な相棒です!

大山で出会った景色は春も秋も
とても素晴らしかったです。

ツギのワタシ

将来はIT業界へ進みたいと思っていますが、具体的な分野については迷っています。今は「サンコロビンゴ」を作るうえで学んだ「人に対するものづくり」の経験を活かして、システムの先にいるユーザを思った開発ができるようになりたいし、デジタル化されていく中で、置いてけぼりになる人を作らない「ものづくり」をしていきたいと考えています。プライベートでは、数学が趣味で特に和算が好きなので、江戸時代の和算の第一人者「関孝和」をはじめとする和算のテーマ展示を行っている博物館がある岩手県に行ってみたいです。

高校生へのメッセージ

大学は「新しい自分との出会いの場」だと思います。私は人前での発表は本当に苦手でしたが、学会発表をやったことで、社会に出ても人前で発表ができるくらい成長ができました。また、バンコク大学への海外研修では、英語で授業を受けたり、現地の学生と一緒に行動したり、日本では見られない寺院や街並みなどに触れていく中で、文化の多様性や自ら行動できる自分の新たな一面を発見できました。大学時代は自由に使える時間がたくさんあり、行動範囲は大きく広がります。でも、4年間は案外あっという間に過ぎていくので、ぜひ積極的にいろんな環境に飛び込んで、今まで知らなかった新たな自分を発見してください。

時間割

1 9:30~
11:00
2 11:10~
12:40
3 13:20~
14:50
4 15:00~
16:30
5 16:40~
18:10
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TA
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3 13:20~
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Communication in English
(オンデマンド)
4 15:00~
16:30
5 16:40~
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1 9:30~
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2 11:10~
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TA TA
3 13:20~
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Communication in English
(オンデマンド)
4 15:00~
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5 16:40~
18:10
【博士前期課程1年の時間割です】
*TAは大学院生が教員の教育補助業務を行うこと。
ティーチングアシスタントの略。

教えて先輩!Q&A

情報学部への進学を考えていますが、プログラミングの経験がありません。入学後は苦労しますか?
経験がなくても、1年生の必修授業で基礎から学べるので問題ありません。分からない時には、情報教育研究センターでサポートが受けられます。私もプログラミングがうまくいかないときには、情報教育研究センターに行って教えてもらいました。
地元を離れて進学します。一人暮らしが不安です。
本学には指定寮もあるので、寮に入ることを検討してみてもいいかもしれません。私は女子シェアハウス 「KAIT ERIM」(カイトエリム)に入っていますが、イベントもあるので楽しいです。ご飯も用意されるし、大学の敷地内にあるから登校にも困らないです。そして、やっぱり一番良いのは寂しくないっていうことです。色々な地方出身の人がいるので、「なまり」の話になると盛り上がります。