卒業研究のご紹介
2018年版

機械・自動車・ロボット系所属学生

アーチェリーの動作と的中率に関する研究

入内嶋 俊哉神奈川県
創造工学部ロボット・メカトロニクス学科 2018年3月卒業
神奈川県立座間総合高等学校出身

研究の目的

アーチェリーは年齢や性別を問わず、誰でも気軽に楽しめる生涯スポーツで、日本でアーチェリーが本格的に行われるようになった1950年代後半から競技人口が増え、今では全国で1万2千人程度。大学に入学してからアーチェリーを始める人が大半であり、その中で大学から始めた人同士で、高得点への的中率が高い人とそうではない人とでは、どのような違いがあるのか疑問に思った。本研究を通し、アーチェリーの一連の動作時の振動による影響で的中がどのように変化するのかを明らかにし、高得点の的中が高い人とそうではない人との違いを明らかにするのを目的とした。

研究内容や成果等

アーチェリーで的中率が高い人と低い人との差を明らかにするために、加速度センサを用いて、アーチェリーにおける一連動作時の加速度の計測を行った結果、的中率が高い人は的中率が低い人と比べ、フルドロー時から加速度の振幅が小さくなり、弓具を上手に扱えていて、体の軸が左右前後に傾くことなく、無駄な力を使うことなく、的を狙い射っていることが明らかになった。本研究の結果は、部活動の後輩指導や自身の競技力向上に生かしていける可能があると考えられる。


加速度センサ外観と加速度センサ装着時の様子
指導教員からのコメント 教授 松田 康広

入内嶋さんは、アーチェリー部に所属しており、加速度センサを用いてアーチェリーの動作を計測したいと話していました。入内嶋さんは、まず3個の加速度センサを身体のどこに装着すればよいか、試行錯誤を重ねました。また、アーチェリーの動作を分析し、セットアップ、ドローイング、フルドロー、リリースの4動作に分け、計測された波形の持つ意味を読み取っていきました。その結果、的中率の高いグループは、フルドロー時の顔の向きと体の軸が安定していること、リリース直前に弦を十分引き込んでいることを明らかにしました。

卒業研究学生からの一言 入内嶋 俊哉

大学では新しいスポーツに挑戦しようと、アーチェリー部に入部。最初は何もできないので、早く克服しようと自主練習に励みました。また、会計担当となって、お金の管理も初めて経験し新鮮でした。メンタル部分も鍛えられ自分自身に負けないようになりました。