卒業研究のご紹介
2018年版

化学・バイオ・栄養系所属学生

エタノール燃料電池における酢酸の生成について

今村 哲也長野県
工学部応用化学科 2018年3月卒業
長野県岡谷工業高等学校出身

研究の目的

エタノール燃料電池の化学反応はエタノールの酸化反応である。一般にはエタノールからアセトアルデヒド、次に酢酸へと化学反応が進むと考えられている。昨年度の研究ではエタノールから直接酢酸になっている可能性が示唆されたが、明確ではない。そこで本研究では、エタノールではなくアセトアルデヒドを燃料とすることで、アセトアルデヒドから酢酸になるプロセスを追求し、エタノール燃料電池の反応に関する知見を得ることを目的とした。

研究内容や成果等

燃料電池は小型の発電方法であり、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換することが可能である。エタノールは安全で、自然由来の材料から容易に生産が可能なため、クリーンなエネルギー源である。しかし、エタノール燃料電池には発電量が低いなどいくつかの問題点がある。本研究内容から、燃料電池内での反応過程が明らかとなり、これを改善することにより将来的にエタノール燃料電池の性能が向上し、発電方法の1つになる可能性が考えられる。


エタノール燃料で生成した酢酸量とアセトアルデヒド量

アセトアルデヒド燃料で生成した酢酸量
指導教員からのコメント 教授 伊熊 泰郎

卒業研究の研究室を決める段階から燃料電池に関することをやりたいと考えていたようです。そのためか、今村君は卒業研究には真面目かつ積極的に取組み、前半のデータを取る実験は早め早めに行動していました。後半になって考えた実験を行う段階ではつまずきながら考えをまとめ、1月頃には新しい考え方でデータをきれいに説明しました。また、当研究室が主催する燃料電池コンテストの準備段階では燃料電池の作製法を高校生に上手に説明したこともあり、1年間の成長は目を見張るものでした。

卒業研究学生からの一言 今村 哲也

大学では、まず、ものの見方を学んだ。学校の勉強では答えが決まった問題がほとんどだが、社会に出れば答えが1つだけとは限らない問題がたくさんある。応用化学科では、ものの見方を一視点からではなく、複数の視点から捉え、複数の考え方を得ることを習得した。2つ目は、コミュニケーションである。自分の考えを相手に伝えるのはとても難しいが、社会では報告、連絡、相談は必須であり、相手に伝えるにはコミュニケーション能力がなければ伝わらない。伊熊研究室では、「ホウレンソウ」やコミュニケーション能力の重要性を知ることができたので、これからの生活で生かしていきたい。